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書籍の詳細

アルプスの少女ハイジ

アルプスの少女ハイジ』(アルプスのしょうじょハイジ、Heidi)は、スイスの作家ヨハンナ・シュピリ(又はスピリ)の児童文学作品である。1880年から1881年に執筆された。原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代)及び『Heidi kann brauchen, was es gelernt hat』(ハイジは習ったことを使うことができる)という。

ドイツの文豪ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』及び続編の『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』からその着想を採られたもので、教養小説(成長小説)としての色彩を持ったものである。キリスト教信仰に基づく描写が多く見られる。作者も属するドイツ語圏スイスのデルフリ村(マイエンフェルト付近の架空の村。イェニンス村がモデル)が舞台となっており、中盤にはゲーテの生地でもあるフランクフルトに舞台が移る。

日本語訳

日本語訳の版本は過去様々なタイトルで100種類以上出版された。以下はその一部(抄訳も含む)。

  • 『ハイヂ』 (野上彌生子 訳) 家庭読物刊行会 1920年
  • 『楓物語』(山本憲美 訳) 福音書館 1925年
    • これは明治・大正期に他の作品でも見られた、人名を日本風にした作品である。当時の少年少女は現代人よりも外国人名に慣れていなかったため、物語の内容は変えずに登場人物名だけをすべて日本風に変えて、年少の読者の負担を少しでも減らしたものである。そのためハイジが「楓」、ペーターが「弁太」、クララが「久良子」となっている。
  • 『アルプスの山の娘(ハイヂ) 』 (野上彌生子 訳) 岩波文庫 1934年、復刊1991年ほか
  • 『アルプスの山の少女』 (水島あやめ 訳、高井貞二 画) 文化書院 1947年
  • 『ハイジ』 上・下(竹山道雄 訳) 岩波少年文庫 1952年(旧版)、改版1986年
  • 『アルプスの少女』 (中村一雄 訳、石垣好晴 画) 日本書房 1954年
  • 『ハイジ』 (矢川澄子 訳、パウル・ハイ 画) 福音館書店〈福音館古典童話シリーズ〉 1974年
  • 『ハイジ』 第1部・第2部(国松孝二、鈴木武樹 訳、小谷智子 画) 偕成社文庫 1977年
  • 『アルプスの少女』 (関楠生 訳、ナタリー・フォーシル 画) 童心社〈フォア文庫〉 1988年
  • 『アルプスの少女』 (大野芳枝 訳、渡辺藤一 画) 集英社〈子どものための世界文学の森〉 1994年
  • 『アルプスの少女』 (足沢良子 訳、こさかしげる 画) ぎょうせい 1995年
  • 『アルプスの少女 』 (石中象治 訳、岡村夫二 画) 旺文社〈ジュニア図書館〉 1969年、1996年
  • 『アルプスの少女ハイジ』 (ささきたづこ 訳、矢島真澄 画) 小学館 1998年
  • 『ハイジ』 上・下(矢川澄子 訳、パウル・ハイ 画) 福音館文庫 2003年
  • 『ハイジ』 上・下(上田真而子 訳) 岩波少年文庫 2003年
  • 『アルプスの少女ハイジ』 (池田香代子 訳、いわさきちひろ 画) 講談社〈青い鳥文庫〉 2005年
  • 『アルプスの少女ハイジ』 (関泰祐、阿部賀隆 訳) KADOKAWA〈角川文庫〉 2006年改版
  • 『アルプスの少女ハイジ』 (万里アンナ 訳、うっけ 画) KADOKAWA〈角川つばさ文庫〉 2012年
  • 『アルプスの少女ハイジ』 (松永美穂 訳、横山洋子 監修) 学研〈10歳までに読みたい世界名作〉 2015年

映像化作品

アニメ

テレビシリーズとしては、ズイヨー映像の作品が有名だが、アニメ作品はほかにもいくつか存在する。以下はその一部である。

  • 1967年:『アルプスの少女ハイジ』(TCJ)、テレビシリーズ企画とパイロット版のみ
  • 1974年:『アルプスの少女ハイジ』(ズイヨー映像)、テレビシリーズ作品
    • 2015年:『Heidi』(フランス、オーストリア、ドイツ、ベルギー、Studio 100)上記の作品を下敷きにした3Dアニメ版。話数がオリジナル版よりも13話短縮されている。日本では現時点で未放送。
  • 1987年:『Heidi's Song』(アメリカ、ハンナ・バーベラ・プロダクション)、劇場用作品
  • 1988年:『ビデオ絵本 アルプスの少女ハイジ』(ウォーカーズカンパニー)、ビデオ作品、虫プロダクション制作
  • 1989年:『ポンキッキめいさくわーるど アルプスの少女ハイジ』(スタジオジュニオ)、『ひらけ!ポンキッキ』のコーナー内テレビアニメ作品、1989年4月3日放送
  • 1993年:『サンリオ世界名作映画館 ハローキティのアルプスの少女ハイジ』(サンリオ)、ビデオ作品、1994年に『ハローキティのアルプスの少女ハイジ クララとの出会い』が発売
  • 1995年:『ハイジ』(日本ビデオ販売)、ビデオ作品
  • 2017年:「HUNGRY DAYS『アルプスの少女ハイジ』篇」(タツノコプロ)、 日清食品「カップヌードル」のCMとして制作された短編作品で、本作を翻案しハイジ・クララ・ペーターが現代日本の高校生として生活している様子を描いている。キャラクターデザインは窪之内英策が担当、ハイジを石井杏奈、クララを雨宮天、ペーターを神谷浩史がそれぞれ演じている。

実写

  • 1937年:『ハイデイ』 アメリカ映画(88分)
    出演:シャーリー・テンプル(ハイジ)、ジーン・ハーショルト
  • 1952年:スイス映画(100分)
    出演:エルスベート・ジグムント 、ハインリヒ・グレトラー、トマス・クラメス、テオ・リンゲン
    音楽:ロバート・ブルム
    監督:ルイジ・コメンチーニ
    ハイジはスイスの高山(アルム)で祖父(アルムおんじ)と一緒に生活している。ハイジは友人ペーター(山羊の家畜番)と一緒に、山での生活を送る。その後ハイジは、ゼーゼマン(Sesemanns)家の一人娘で、病気のため立つことができないクララ(Klara)のために都市へ送られた。ホームシックと友情の物語。
  • 1955年:Heidi und Peter(1952年の続編)
    出演:エルスベート・ジグムント 、ハインリヒ・グレトラー、トマス・クラメス
    音楽:ロバート・ブルム
    監督:フランツ・シュニーダー
    ハイジはスイス・アルプスにいる祖父の元に帰る。病気だったクララ・ゼーゼマンは清潔な高山の空気において健康になるために、スイスのハイジの元へ送られた。
  • 1965年:ドイツ/オーストリア映画(110分)
    出演:エバ・マリア・ジングハンマー(ハイジ)、グスタフ・クヌート(アルムおんじ)、Michaela May(クララ)、ヤン・ケストラー(ペーター)、エルンスト・シュレーダー
  • 1968年:アメリカ・テレビドラマ(105分)
    出演:ジェニファー・エドワード(ハイジ)、マイケル・レッドグレイヴ(アルムおんじ)、マクシミリアン・シェル(クララの父・ゼーゼマン氏)、ジーン・シモンズ(ロッテンマイヤー)、ペーター・ファン・アイク
  • 1974年:イギリス・BBC制作テレビドラマ(30分、6話)
    出演:エマ・ブレイク(ハイジ)、ハンス・メイヤー(アルムおんじ)、ニコラス・リンドハースト(ペーター)、クロエ・フランクス(クララ)
    日本では、1976年2月にNHKで少年ドラマシリーズとして放送。
  • 1978:『アルプスの少女ハイジ 新しい冒険 The New Adventures of Heidi』スイス・ドイツ・オーストラリア制作テレビドラマ (全26話)
    出演:カティア・ポレティン
  • 1993年:アメリカ・ハーモニーゴールド社制作テレビドラマ(193分)
    出演:ノーリー・ソーントン(ハイジ)、ジェイソン・ロバーズ(アルムおんじ)、ジェーン・シーモア(ロッテンマイヤー)、パトリシア・ニール(ペーターのおばあさん)、レキシー・ランドール(クララ)
    監督:マイケル・レイ・ロードス
    ゴールデングローブ賞ノミネート。
    日本では1996年1月1日から3日にかけてNHK教育テレビで3回に分けて放送。
  • 2001年:スイス映画
    出演:コルネリア・グレッシェル(ハイジ)、ナディーネ・ファノ(クララ)
    舞台を現代に変更した作品。
  • 2005年:『ハイジ』 イギリス映画(104分)
    出演:エマ・ボルジャー(ハイジ)、マックス・フォン・シドー(アルムおんじ)、ジェラルディン・チャップリン(ロッテンマイヤー)、ダイアナ・リグ(クララのおばあさま)
  • 2015年:『ハイジ アルプスの物語』 スイス・ドイツ共同制作映画(111分)
    出演:アヌーク・シュテフェン(ハイジ)、ブルーノ・ガンツ(アルムおんじ)、クイリン・アグリッピ(ペーター)、イザベル・オットマン(クララ)、カタリーナ・シュトラー(ロッテンマイヤー)ほか
    監督:アラン・グスボ-ナー
    日本では2017年8月26日より各地で公開。

舞台化作品

宝塚少女歌劇団

  • 1940年:世界名作童話 オペレッタ『アルプスの山の娘』 
    雪組公演 1940年7月26日~8月25日 於宝塚大劇場
    出演:山路すみれ(ハイヂ)、紅玉美(クララ)、三代あづさ(ペーテル)、秋風多江子(アルムおんぢ)、夕映あかね(おばあさん)、英みのる(クララの父:ヘル・ゼーゼマン)、初音麗子(ロッテンマイヤー)、華澤榮子(デーテ)、尾上さくら(ブリギッテ)、牧藤尾(セバスチャン)、千村克子(チネッテ)、園井恵子(クララのおばあさま)、朝緑澄子(お医者様)、大美輝子(ヨハン)、麗明美(ロベルト)、梢音羽(牧師)、蒼海千尋(家庭教師)、鈴之也千菊(バルベル)
    脚色・演出:東郷静男
    振付:吉富一郎
    作曲:長谷川良夫、筒井春男
    舞台装置:渡邊正男

他の作者による「ハイジ」の続編

ヨハンナ・シュピリ自身は、「アルプスの少女ハイジ」の続編などは執筆していないが、他の作者による続編が公開されている。いずれも公式な作品というわけではなく、作者が異なれば、続編間の関連性も無い。

  • シャルル・トリッテン『それからのハイジ』(各務三郎 訳 ブッキング 2003年8月)
    ハイジは、クララの勧めによってローザンヌの寄宿学校へ入学する。卒業したハイジはアルプスに戻り学校の先生となる。
  • シャルル・トリッテン『ハイジのこどもたち』(各務三郎 訳 ブッキング 2003年8月)
    『それからのハイジ』の続編。ハイジとペーターは結婚してアルムの村で暮らしていた。ローザンヌの寄宿学校時代の親友の妹マルタは、祖母を亡くしたおりに心を閉ざしていた。ハイジはマルタを引き取って育てる。やがて、マルタも次第に心を開いていく。
  • フレッド・ブローガー&マーク・ブローガー『ハイジの青春 アルプスを越えて』(堀内静子 訳 早川書房 1990年8月)
    ("Courage Mountain"として映画化(邦題『チャーリー・シーンのアルプスを越えて』))
    14歳になったハイジは、アルプスを離れ、イタリアの寄宿学校へ行く。しかし、戦争が始まり寄宿学校は軍に接収され、ハイジたちは工場で酷使される。ハイジたちは脱走し、アルプスへと向かう。
  • 石川淳「アルプスの少女」(『おとしばなし集』所収 集英社 1952年11月)
    『戦後短篇小説再発見〈10〉表現の冒険』(講談社文芸文庫 2002年3月)に再録
    戦争が起こり、ペーターは兵士となる。平和が戻ったとき、ペーターとクララは再会しアルムに向かう。

類似が指摘される作品

2010年、ドイツの文学研究者ペーター・ビュトナー(Peter Büttner)により、この作品が1830年にドイツの作家、ヘルマン・アーダム・フォン・カンプが発表した作品「アルプス山地の少女アデライーデ(Adelaide - das Mädchen vom Alpengebirge)」に類似していることが指摘され、本作の下敷きとなった可能性が高いとした。この指摘にはスイスの新聞が「ハイジは盗作だった」と報じるなど波紋を広げた。ビュトナー自身は「私は盗作とは言わない。シェークスピアやゲーテも同じことをやっている」と話している。

脚注

関連項目

  • アルプスの少女ハイジ (アニメ) - 日本のテレビアニメ
  • ハイジ (小惑星)
  • マイエンフェルト

外部リンク

  • Heidis Lehr- und Wanderjahre Project Gutenberg ドイツ語テキスト
  • アルプスの少女ハイジという物語 ヨハンナ・シュピーリ作品研究


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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